商品管理部の北村です。

 

今回は日本の伝統技法ってすげー!って感じた、私の仕事道具について紹介します。

それはフエルトの抜き加工で使用する火造り型(金型)です。

 

型の種類については以前のブログで『型を使用した打ち抜き加工』でも紹介いたしましたが、この火造り型の製造が実に凄く、職人技だけでなく、日本の伝統工芸品『KATANA』の技術を踏襲する鋳造で作られている事に凄さを感じました。

 

【火造り型】                       【鋳造イメージ】
火造り型1鋳造イメージ1

現在、打ち抜き加工と言えば、CADで設計し、レーザー加工や自動刃曲げ機を使用して作成するトムソン型が主流で、火造り型と比べると短納期対応可能で安価、しかも複雑形状にも対応などの理由から弊社においてもトムソン型は試作から量産まで幅広く使用されており、火造り型は時代遅れ感があり、使用頻度は減少傾向にあります。

 

しかし、全く出番が無いわけでなく、こいつにしかできない事もあります。

 

それは硬い商材を刃の破損を無く、形状に商材を抜く事です。

 

加工対象が硬い商材になるとトムソン型の場合は刃と刃の継ぎ目が開いたり、刃が変形したり、最終的には型の破損となりますが、一方でこいつは少々の硬いもの加工しても、強くプレスしても、刃こぼれしているところや破損をしているところを見たことがありません。無敵です。

 

【火造り型】                                            【トムソン型】
火造り型2トムソン型1

火造り型には刃に耐久性があり、また継ぎ目がありませんので、硬い商材を加工しても刃が開かないので安定したサイズを保つことができ、型も長持ちします。しかも使用劣化があまりありませんので、長期的に視点ではコストパフォーマンスに優れていることもあります。

 

【何十年と闘い続ける勇士たち】
火造り型3

米島フエルト産業では、過去の様々加工実績の蓄積により、火造り型を数多く保有しております。

ごく一般的なリングや円形であればある程度、型の製作をせずとも対応は可能です。

ゴムやケブラーなどのスーパー繊維、引張強度や弾性率を持つ素材でトムソン型では抜くのが難しい素材でもこの火造り型で抜いて見せますので、お気軽にお問合わせ下さい。